中小企業診断で飯を食え!腕をあげたきゃ備忘録!

中小企業経営に関わる網羅的範囲について備忘録的に更新していきます。

経営戦略の構成要素 ~ ドメイン(事業領域) ~

ドメインとは、

企業の事業がどうあるべきかを明示した企業の生存領域

のことです。

ドメイン設定の意義

① 意思決定の焦点が定まる(事業展開発案のベース)

② どんな経営資源の蓄積が必要かの指針となる

③ 企業全体の一体感

ドメイン設定の範囲

範囲が狭すぎると、

狭い範囲の消費者にしか訴求できず、

顧客ニーズへの適合が難しくなりますが、

範囲が広すぎると、

経営資源が分散し、且つ

無意味な競争にも巻き込まれやすくなります。

ドメインの定義

物理的定義

「モノ」中心のドメイン発想。

映画会社がドメインを「映画の製作」と定義するような場合です。

ドメインが具体的で対象顧客や製品の性格をイメージしやすいですが、

現在の事業領域を超える発想が出にくいというデメリットがあります。

機能的定義

「コト」「顧客のニーズ」中心のドメイン発想。

映画会社がドメインを「エンターテイメント」と定義するような場合です。

HP制作会社がHPというモノづくりから「コトを支援する」事業に展開していく場合の発想は機能的ドメインの定義ということになるでしょう。

機能的定義は、事業の発展可能性や広がりを感じさせる一方で、

ドメインが抽象的になりがちで、ターゲット顧客や事業・製品の性格が不明確になりやすい傾向があります。

物理的定義よりも、単純に「分かりにくい」ため、

事業の構成員にそのドメインの真意や具体的な部分を周知し、一貫させるために何らかの施策を設ける必要があるかもしれません。

ドメインコンセンサス

ドメインはある一定の時期に設定するものですが、市場の変化にともなって、そのドメインが必ずしも適切でなくなることもあります。

したがって、ドメインは環境変化に合わせて変化させることも時は必要です。

つまり、経営を行う中で、環境変化が起こったときに変化による対応ができないような組織運営をしないように注意する必要があります。

 

また、ドメインはただの言葉や明文では意味をなしません。

ドメインは事業の当事者たちがそれを意識できて初めて意味がありますから、

組織の内部・外部ともにドメインの合意(コンセンサス)を得ることが必要です。

これをドメインコンセンサス」といいます。